月別アーカイブ: 2011年1月

ビタミンAとDは動物性から

栄養の伝統(5) 

 Wise Traditions 2010 講演訳つづき  

プライス博士の研究により、伝統的完全健康人たちの食物にビタミンとミネラルが大変豊富であったということがわかっています。一日の最低必要量ではありません。ぜいたくに、多量に、栄養の密度の高いものを食べたということです。
  
彼らの食事で非常に豊富にとったのは、まずカルシウムです。当時のアメリカ人の平均の4倍のカルシウム、またすべてのミネラルと有価ビタミンについても、非常に高い値です。そして、驚くべきことに、当時の米国平均の10倍の脂溶性ビタミンをとっていました。そのビタミンとは、最初にお話ししますが、ビタミンAとDです。
これらの伝統的健康食に重厚に使われたのがビタミンAとDです。これをどこからとるのでしょう?シーフードでは、魚卵、魚の肝臓、肝油、魚の頭は、非常にビタミンA豊富です。魚介類ビタミンD豊富、脂っこい魚、アザラシの脂肪は、プライス博士の発見した中でビタミンAの含有が最も高いものです。アラスカではこれをコップに入れて飲んでいました。  

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コレステロールの重要性

サリー・ファロンのスピーチ (@ワイズ・トラディションズ UK会議 2010年) (使用している写真は必ずしも当レクチャーで使用されたものと同じではありません) Sally fallon 1-4

栄養の伝統(4)
動物性食品からくる栄養素
次のような多くの栄養素は動物性食品だけに見られます。

ビタミンA,Dは、動物性脂肪に多く含まれます。これについては、あとで詳しく述べます。

コレステロールは、体に悪いと言われますが、実際は子供の成長に必要な栄養素です。子供は脳と第二の脳の形成に十分なコレステロールを作ることができないのです。第二の脳とは、ナターシャが話しますが、腸です。腸は脳と同じぐらいの神経細胞が多い組織です。このどちらもコレステロール豊富な臓器で、この適切な形成と働きのためには多くのコレステロールを必要とします。

それで、赤ちゃんの食べ物、妊娠中の女性の食べ物は、コレステロール豊富でなければなりません。B12も、動物性食品からしかとれません。ある特定の脂肪、EPA,DHA、AA(アラキドン酸)は、脳機能に非常に重要です。これも、動物性食品からのみ取り入れられます。

植物性食品からも多くの栄養はとれますが、動物性食品からの方が取り入れやすくなっています。カルシウム源は伝統的には二つしかありませんでした。一つは、生の乳製品、もう一つは、魚の骨です。乳をあまりとらなかった食文化においては、魚の骨のスープです。アメリカの先住民やその他の文化では、水よりも魚のスープをよく飲みました。水を飲むのはよくないとされたからです。

アジアを考えると、典型的な食事では魚でだしをとり、一日を出発します。このようにカルシウム豊富な食物に重点が置かれていました。

B6,マグネシウム、鉄、亜鉛、銅はすべて動物性食物でより多く入手可能です。亜鉛は、植物から集めることは不可能です。植物では、これらのミネラルはキレートされており、分子のような形になっています。それで、体は多くの酵素を使って、これらのミネラルを遊離させねばなりません。それらは動物性食品の方がずっと入手可能な形になっています。

 B12は、動物性食品のみからとれる非常に重要な栄養素です。この不足があると、初期には、疲労感、手や足の刺痛、睡眠障害、不合理な怒りが現れます。いつも誰かが止めに入らなければならないなどのことがある場合は、B12をよく考えてください。この不足がさらに進むと、症状も深刻化します。精神障害、うつ病、脅迫神経、躁うつ病、アルツハイマー病、かなり多くの症例でアルツハイマーがB12欠乏症に関係があることが示されてきています。また、その他の身体的病気、多発性硬化症、心臓病などにも発展します。
 

この会場に、ベジタリアンの方はいらっしゃいますか?はっきり申し上げておきますが、毎日ステーキを食べようと言っているのではありません。この食事法は、肉をいっぱい食べようという内容ではありません。肉よりも動物性脂肪を多くとりましょう。亜鉛不足の方についてはよく赤身の肉を食べなければなりません。ただ、肉を食べていないことが、道徳的により崇高とは言えません。私たちの身の回りは、と殺された動物たちからとったものに囲まれています。ワックス、化粧品、せっけん、プラスティック、現代建築資材、などは牛からとっています。飛行機に使われる水素付加されたブレーキ液、電話の部品に使われる膜、などはビーフのゼラチンから作られます。これらすべてのものは、と殺された、殺された動物から来ています。

 

過去にはもっと多くのものを動物に頼っていました。今日では肉のみならず、皮革、毛皮、骨を使った道具、これは物質世界に住むうえで自然な成り行きです。生物世界では、すべてがほかの何かを食べています。私たち人間が死ねば、虫の餌になります。これが物質世界のリサイクルの常です。

ベジタリアンの起源

それではここで、現代流行中の低脂肪・高繊維のベジタリアン運動の原点についてお話しましょう。

アメリカでは、米国ベジタリアンソサイエティがシルベスタ・グラハムによって創設されました。彼は穀物をまるごと食べる、ホールグレイン・ベジタリアン食を唱えました。その理由は、道徳的なものからで、純潔と、肉欲の抑制のためでした。彼の説教では、過剰な性欲は病気の原因であるとするなど、あまりいい人ではありませんでした。男の子は固いベッドに寝るべきで、母親が一緒に寝たり、ハグしたりすると、性感情を呼び起こすので、よくないと言い、性欲が現れた青年たちに対する徹底的な解決法などを作りました。

彼の後継者はジョン・ハービー・ケロッグで、高繊維ベジタリアン食を提唱し、二大悪として、便秘と自然の性欲をあげ、既婚での性行為を否定しました。この人たちは完全に狂人の部類です。その後性革命がおこり、現在では、自然の欲求を抑制すると、精神的な異常をきたすと言われています。それで、この性の抑制の部分はなくなったのですが、食事法のみが残り、依然として国家政策の一つです。自然の欲望を抑制すると起こるのが拒食症です。このような食事法を、私は、ピューリタン的食物と呼びますが、この食事法に長い間とどまることはできず、人々はポルノ的なものをとって食べるようになります。これが古き良きホールサムな食物です。(51:14) つづく

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超健康な伝統人の食原理

栄養の伝統(3)
Wise Traditions 2010 講演訳つづき
(写真はレクチャーに使われたものと同じではありません)

今日はある重要な疑問にこたえたいと思っています。

「健康的な食事法とは何か?」

多くの人々が大変混乱しています。そして、いろんな人たちがまったく相反する食事法を「よい」と提案します。間違った、破壊的な食事法を含めて。よい食事法とは、アトキンズ食のような多くの肉を食べるものでしょうか?ビーガンやベジタリアンと言った、野菜のみ食べるような食事法でしょうか?それとも他の「作り上げられた」食事法でしょうか?それらは、私が思うに、毎日毎日大家族を養わねばならないような人々が作り上げたものではありません。そこでは毎日同じようなものを大量に必要としたでしょう。

リサ・シンプソンというTVキャラクターは、とても賢い女の子ですが、リサでさえ、理解できないのが、「いったいどれが健康的な食事法なの?」という問いです。

アメリカ合衆国政府が定めた食物ピラミッドというものがあります。確実に、英国でも同じようなものがあると思います。米国のものは、6~8人分の高炭水化物食です。この結果、ピラミッド型の人々が増えすぎました。この食事法は、「科学」に基づいていません。これはUSDA(米国農業省)の農業政策にもとづいています。彼らの責任は、農産物を売ることです。それで、この食事法が作り上げられ、非常に明らかな災難をもたらしています。

この食事法で大きくなった人々には、学習障害、行動障害、感情的問題、不妊、慢性疾患の急増、が結果としてあらわれ、さらにこれを続けることは、棺桶にくぎをうつ行為です。

そこで、真に健康な食事法を探したウェストン・A・プライス博士の研究結果に行きます。

さきほどの話では、かなり、相異なる例が出ました。

真に健康な人々の行った食事法とは、

・野菜、植物をとらなかった

・野菜をふんだんにとった

・動物を多くとった

・動物をあまりとらなかった

・乳製品を多くとった

・穀類を多くとった

・・・

ここから何がわかるのでしょうか?

私たちは、健康的な伝統食を研究し、11の原理にたどり着きました。

この原理を知り、ご自分たちの地域で、手に入れやすいものを探してください。あなたの経済状態、あなたの好み、子供の好みなどで考えるのです。家族のだれも好まない食事を準備しても無駄です。しかし、うれしいことに、この原理で紹介する食物はとてもおいしく、満足のいくものです。

第一の原理:加工食品、変性食品ゼロ

プライス博士の時代、この加工・変性食品リストでは少ないものでした。

加工された白砂糖、白い小麦粉、植物油、缶入り食品、コンデンスミルクです。植物油は、人類史上最も新しく導入されたものです。

現代ではそれに加えて、(ハイ・フルクトース)コーン・シロップなどがあり、これは完璧な有毒製品で、特に子供の発達に有毒です。

白い小麦粉はまったく中身のない西洋食の根幹です。

ライス・ミルク、スキム・ミルク、これらはもう食物ではなく、最も価値ある栄養が抜き取られています。 

水素付加された油脂、加工された植物油は、巨大な災難をもたらしていますが、動物脂肪を完全に追い出しました。これらの産業は50年、60年かけて動物脂肪を悪魔化するのに成功したのです。私たちの研究では、現代の加工植物油は非常に危険であることがわかりました。

また、特に、タンパク質の粉(プロテインパウダー)には懸念しています。後述しますが、人々には不要のものです。西洋食の問題はタンパク質ではありません。西洋食には多くのタンパクがあります。また、その他

添加物、着色料、などの問題があります。これらの化学物質は体に入るべきではありません。

「Life in its fullness is Mother Nature obeyed.」プライス博士

「十分な生命は、母なる自然に従う」というプライス博士の言葉があります。現代の科学の態度とは完全な反対の立場です。現代科学では、「自然は偶然このように現れてきている。これは脅威である。間違いが多い。自然を修理し、変えねばならない」と言います。

プライス博士は、「我々は自然の一部である、十分な生命を生きるには、自然のルールを理解せねばならない」と言います。

これら加工食品は、母なる自然の与えたものではなく、工場の作ったものです。これらをもう修正することはできません。オメガ3や6を入れたり、ファイト栄養(生物学上活発である植物から得たが栄養食品ではない化学物質)を加えたりしますが、完全なクズです。そして、これらのタイプの食品を食べ続ける限り、あなたは十分な生き方をしないでしょう。人生で完成したいことを完成できないでしょう。

第二の原理:どの健康な伝統食にも動物性食品が必ず含まれている

プライス博士にとっては、これは最大の失望でした。彼は、植物性のみが一番よいと思っていたのです。彼の発見では、これらの伝統的健康人たちは、かなりの労を費やし、長い旅に出、危険をおかし、動物を捕獲し、それに最高の価値をおきました。彼の意見では、最も良いのが、魚と魚介類。しかも、身というよりは、魚油、骨、内臓、頭です。彼の研究では、最も強固な骨格の人々は、シーフードを食べた人たちです。

そして、は多くの文化で食べられました。鶏、鴨、ガチョウなど。そして太った脂肪の厚いものをほしがりました。脂肪をとったムネ肉ではなく。内臓、脂肪、皮などです。木の実は残しておいて鳥たちを太らせました。

赤みの肉も多くの文化で食べられました。ビーフ、ポークなど。しかし、猟が多いときは赤みの肉は捨てて、犬やジャッカルにあげました。人々は、脳みそ、骨髄、タン、肝臓、動物のすべての脂肪はとっておき、少しの赤みをとっておき、乾燥させたりスモークしたりしました。

乳と乳製品。多くの健康文化で、生乳か発酵乳をとりました。卵、爬虫類、昆虫などもとりました。

動物からしか取れない栄養が多くあるのです。

(44:03) つづく

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超健康人の聖なる食物

 

プライス博士は南太平洋にも行き、島で十代の若者たちのはじけんばかりの表情に出会います。(右の写真:上の段)

私たちの知っている十代たちは、こんなふうには笑わない。(ピンク台紙の写真:左の4枚)

このうれしさにあふれ、楽観的な笑顔。違う家族の人だが、みな似ています。栄養が非常にすぐれているため、内面がこのように美しく表現できるのです。彼らの遺伝子の最適の表現です。

出会ったある女性は90歳で、村には多くの老人たちがいます。彼らの平均寿命は知らないのですが、老人たちのために食物が蓄えられています。

この健康な南太平洋の島人たちの食物は、熱帯地方であり、野菜、果物が豊富、ココナッツという脂肪の多い果物タロイモ、これは、炭水化物を多く含み、その保存・調理方法は発酵です。これらの文化では、人々は炭水化物を食べる前に発酵させます。食の基本はあらゆる動物、タコ、カニ、動物は全身食べるということ。カニは内臓が入っていて黄色い部分は、ミネラルやビタミンが非常に豊富。カニの卵も食べるし、殻も粉にして食べます。何も無駄にしない。

 

ブタは非常に重要な食物。地面に穴を掘り、地下の穴でローストします。脂肪、内臓など、すべてを食べます。青年はおいしい海のイモムシを食べています。聖なる食べ物は、大きな危険を冒してとらえるサメの肝と肝油。これは子づくり、妊娠、成長に非常に重要と考えられています。サメの肝は、サメの腹に入れ、木につるして発酵させます。それからしたたり落ちたのがサメ発酵肝油です。これが彼らにとって非常に重要なものです。

 

ここでも彼は同じようなパターンを発見します。文明が入り始め、食物がかわることによって、虫歯、苦しみが訪れ、次に生まれる世代は狭い顔幅で、歯にも変形ができます。(右の写真:下段)そして現代的健康問題。それはうつ病や行動の問題。そして、未開人にあった楽観的表情は失せ、不快な顔になります。(ピンクの台紙の写真、右側)

だまされた、やられた、そんな顔をしています。その通り。彼らは生命の権利を侵されたのです。肉体の完成という点で。この星に生まれるすべての子供は、肉体の完成という権利を与えられています。人間は、魅力的になるようにできています。若者は魅力的になりたいと思うものです。それが設計図に書かれています。しかし、今日、建築資材は、その設計図に最適なものではないのです。


正常な骨の発達がわかる写真もあります。未開食人と現代食人の顔のつくりの違いがわかります。現代食を食べた両親から生まれた方は、顔幅が非常にせまくなっており、歯が混んでいます。頭蓋骨につるされた骨格が、生きるために自ら調整して狭くなった形です。

 

建築のアーチと歯科的アーチを比較しますと原理は同じです。広く大きなアーチの建物は、しっかりと安定した柱がつきものです。非常に強い資材、すなわち骨です。こちらの広いアーチが未開食人の成人の歯科的アーチにあたり、狭いアーチは現代食人の歯科的口腔骨です。強さ、美しさ、秩序が広い方にはあります。狭い方は、弱さ、退化、混沌、プライス博士は、肉体的(degeneration)退廃と呼びました。動物実験によると、その種の動物に適さない食事を与えた場合、人間も含めて、第一世代で、骨の弱化、顔の構造が狭くなり、慢性疾患の始まりがみられ、第二世代までに、重篤な病がおこり、行動の変化が現れる。猫の実験では、メスが攻撃的になり、オスが従順になります。第三世代までに、死に絶えます。メスは不妊となり、若者は成熟しません。私たちは西洋でこのタイプの現代食が始まってから第3代目にあたります。私たちの世代には多くの割合で不妊があり、若者たちの間に深刻な病が急速にはびこりつつあります。

 

米国で現代のほとんどの子供が歯列異常の様々な例に直面し、矯正歯科に連れてこられます。矯正は高価ですが、歯列のみ矯正が可能ですが、体のほかの部分は矯正できません。歯科医は、その原因を指くわえや遺伝だと信じています。しかし、遺伝ではありません。栄養の問題です。

 

栄養不良で最初に影響されるのは、全身の中で、上あごの骨です。これが広い頬骨になります。頭骨のすべてはこの上あご骨に触れていて非常に重要です。次に影響をうけるのは、下あごの骨です。上あご骨が健全で広いと、非常に魅力的な顔になります。

 

米国美人

生乳をよく飲んで育った1920年代の女性

こちらの写真の女性は1920年代に生まれ、自然のまっすぐに生えた歯で、美しい女性です。彼女は、タラの肝をつめたタラの頭や海のイモムシなどを食べなくてもこの美しさを得ました。彼女の食物は、放牧された牛の生乳、たくさんの生バター、生クリーム、魚介類、魚卵も大事として食べていたし、肉のスープ、果物、野菜でした。これら西洋食を食べて、遺伝子の最高の形を表現できています。正しい農業でできた正しい食物の選択をしたのです。

 

 

中米の典型的な子供たちは正常な顔骨格の発達が見られます。値段の高い西洋食はありませんが、明らかに「よい」食事をしています。ヤギの生乳、シーフード、内臓、など。裕福でない人々で、内臓をよく食べるのです。それには通常の肉の10倍から100倍の栄養があります。昆虫類も世界中で食べられています。あと、チーズ、コメ、豆類です。ここの食物は植物が土台です。しかし、食べている動物食も大変栄養があります。

 


これと対照的なのが、西洋の現代食人。狭い顔で、誰もが歯をまっすぐにするのに、矯正器具を必要とします。子供たちに、アレルギー、ぜんそく、ガン、関節炎も増えています。(36:35)


 

 

これはウェストンAプライス財団の提唱する食事法に従った両親から生まれた赤ちゃんです。

 

栄養的な準備を十分に行った両親。母親は妊娠中と授乳中、そして離乳食に非常に気を使いました。この赤ちゃんたちは、生まれつき健康で、問題がない、泣かない、早く話し始める、いうことをよく聞く、月齢より早く発達する、未来への希望です。今日も多くの若い女性たちが見えていますが、みなさんが未来への希望です。実際、未来を握っています。これらの問題を本当に解決できるかどうかは、みなさんの食生活にかかっています。このメッセージを心にとどめてくださるかどうか。そして、残りの人たちは、彼女たちをどのようにサポートすればよいか、彼女たちに、よい食物、道徳的、経済的サポートをどのようにして行うか。それが私たちの優先問題ではないでしょうか。誰が未来を背負いますか。世界の若い女性たちです。

栄養の伝統(2)

サリー・ファロン・モレル によるWise Traditions 2010 講演訳つづき


 

 

 

 

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超健康人の食物

栄養の伝統(1)

ウェストン・A・プライスは、1920年代30年代にオハイオ州クリーブランドで歯科医をしていたが、常に、疑問があった。
その第一は、「私の患者たちは、なぜ皆病気なのか?」
この問いに対する答えを探すため、彼はナショナル・ジオグラフィックのカメラマンであった甥を連れて、世界の奥地と呼ばれる場所に旅に出る。 まだ道路の通っていないスイスの村。狭い山道を通りたどり着いたその村で、「あなたがたが文明を必要とする何倍も、文明はあなた方を必要としている」と説得し、研究への協力を得た。そこに集まった人々40数人の中に、虫歯のある人は一人であった。彼らはもちろん歯磨きの習慣はない。あごががっしりしていて、歯がまっすぐに生えている。頬骨が高い。体格がよい。スイスの国内競技でも上位に入る人々がいる。女性は美人だ。

ヨーロッパ全土で結核が健康問題の第一位だった時代、この地域で結核になった人はいない。

彼の第二の問いは、「健康な歯、健康体を持つ人々は何を食べているのか?」

それは、当時結核の原因とされていたローミルク(生乳)、それからつくったロー(生)バター、生クリーム、生チーズだ。夏場に作ったライムギでサワードウを作り、典型的な昼食は、サワードウブレッドに二倍分厚い生チーズスライス。世界的にも、健康なことで知られる民族は、穀物と生乳を食べている。また、週に一回ほどは動物もまるごと食べる。脂肪、内臓、すべて無駄にしない。夏場には野菜もあるが、年間を通して、穀物と生乳が彼らの主食である。

彼は常に対照実験として、その村に近いところにあり、道路が通り、現代化された村に行き、同じような研究をする。この近隣の現代化された村では、38%が虫歯。そして、現代食をとった親の子供は顔の輪郭がせまく、あごの骨格がせまくなっている。

虫歯や歯並びが悪い。つまり、道路が通った時から、店ができ、彼らは加工食品を食べ始めたのだ。プライス博士が呼ぶところの、中身はからっぽだが、伝統食を追い出す食べ物だ。また、結核も大きな問題となっていた。

次に行ったのは、アイルランドの海に浮かぶ孤島。ゲール族の人々である。彼らも現代社会とは無縁で、健康そのものな人々。動物はいないので、肉も卵も乳製品も食べない。果物も野菜もない。ブロッコリもない。彼らの食事はシーフードだった。すべてが海で取れるもの。唯一の野菜は、海草。島ではオート麦がとれたので、それを使って料理した。

プライス博士の発見では、これら健康な村には、ある聖なる食物が必ずある。子供を作る前の男女、妊娠した女性、出産して授乳している女性、成長期にある子供がそれを食べることが重要だとされている。現代では完全に忘れられていることだが、子供を産み育てるためにはさらに追加すべき栄養があることを彼らは知っている。いつも食べているものや、一日分として許されている量のほかにである。しかも、ちょっぴり多くではなく、たっぷり多くである。

スイスの村では、それは特別なバターであった。牛が放牧に出されて最初にだす乳で、オレンジ色をしており、実際、これを供え、祈りをささげるという儀式もあった。

海に浮かぶゲール族の村では、タラの頭にオート麦とタラの肝をつめたもの。これが子供たちの朝食である。

次に行ったのはあるアラスカの村で、村人たちは体の剛健さで知られている。幅広く美しい顔の輪郭、歯列の異常がない、子供は強くたくましく、好奇心旺盛、めったに泣かない。栄養の良い子供は泣かないのだ。そこでは過去30年間、結核や関節炎、癌など手術が必要な病がなかった。歯を調べるとよくかけた歯があった。彼らは獣の皮を噛み切り、砂の付いた穀物を噛むが、そんなかけた歯も虫歯になっていない。彼らをプリミティブ(未開人)と呼ぶが、プライス博士は、心からの尊敬をこめて呼ぶ。彼らが私たちに与えてくれるものはあまりにも多い。彼らに学ばなければ、現代人は文明とともに死ぬだろうと言う。彼はまた、のちに加工食品を食べるような文明を村々にもたらした宣教師たちに対してある意味批判的になり、「自分はこの村で教えてもらった食べ方を文明人に伝える宣教師として来た」といった。

現代化されたアラスカ人は現代食を食べ始め、歯列が悪くなり、虫歯が増えた。歯医者のいないところでは、どんなに大変だっただろう。歯が悪くなることで、食物を噛みすぎたり、噛まなさすぎたりして、取り入れるべき栄養を取ることができず、それが多くの病気につながった。

未開のアラスカ人、エスキモーたちの主食は、アザラシの脂肪で、料理やドレッシング、食品の保存に使い、誕生日にはホイップしてベリー類を乗せてお祝いした。この食事のカロリーの85%は脂肪で、高脂肪食。彼らは小さい野鳥はよく食べた。海の哺乳類、陸の哺乳類、唯一のきまりは、赤身の肉を絶対食べないということ。赤みは乾燥させて、脂肪を塗って食べた。これが私たちの発見だ。未開の人々は皮を取った鶏の胸肉を絶対食べない。あるいは、赤みだけの厚い牛肉も。こういうものを食べると病気になることを知っている。また、魚を発酵させて食べる。この発酵というものが、どの文化にもあり、力やスタミナを与えてくれる。アラスカ人にとっての聖なる食物は、魚卵で、それを日干しにする。「どうしてこのようにして食べますか?」と聞くと、「子供を作るのに必要です」という。つまり、子供を産み育てるのに特別な栄養が必要だと知っている。妊娠前、妊娠中、出産と子育てに不可欠なのだ。

こちらの写真はフロリダ周辺にいたインデアンの人々で、プライス博士は、ほかの民族が流入する前にここに尋ねることができた。この写真をみると、高貴な顔立ち。みな王子や王女のようだ。栄養良好で、遺伝子の表せる最高の表情を出すことができる。

体を家や寺院にたとえるなら、どの建物にも青写真がある。それが遺伝子やDNAというもので、創造主からの贈り物。私は遺伝子異常というものはそもそもないと思う。私たちには完璧な青写真がある。その青写真が最高に表に出してあらわされるかどうかは、その建設に使われる資材によって決まってくる。どんなに設計図がよくても、安っぽい資材、少ない資材しか使えないなら、設計図通りのものはできない。小さめになったり、狭くしたりせざるを得ない。この右上の族長の姫とおなじ系列のこちらの写真の人は、両親が食事を変えた後に生まれた。設計図は同じだが、資材が違う。顔の幅が狭く、歯が生えるスペースが狭い。これは、体のあちこちに損傷がくるというサイン。

「歯を見ればすべてがわかる」という表があります。歯がまっすぐに生える骨格には脳下垂体、松果体、視床下部が入る。ここが衝動制御の場所。今日、衝動制御のない子供が増えている。頭幅が狭く、栄養状態が悪いと、この内側の臓器が損なわれる。 歯がまっすぐな人は体の骨格がしっかりとして、よい筋肉で、視力、聴力がよい。心臓、すい臓、肺などの内臓がよく形成される。肺の表面が広いと、病気に抵抗力が大きい。そして、脳も。よく神経がつながりやすい。学習がよくできる。学習のつながりやすさと感情のつながりやすさは関連がある。脳には「気分がよくなる」化学物質のレセプターがあり、マリワナ、アヘン、などと似たもので、健康な人は、一日中、気分が自然ハイである。そして、完璧な割合で存在するので、副作用がない。この薬物に中毒になる人々は、そういう化学物質がないので、少なくとも瞬間的にでも、あるべき「幸福感」をなんとかして得ようとする。

歯がまっすぐの人は、骨盤の開きが大きく、赤ちゃんの頭が通れる。帝王切開の必要がない。私は帝王切開に反対するわけではない。ほとんどの場合、これが必要な手立てだろう。これがなければ、出産が非常に危険なものとなる。

まとめると、歯列が込み合って歪んでいる場合、骨格もゆがみ、聴覚、視覚がそこなわれ、運動機能もうまくはたらかない。臓器もうまくはたらかない。そこにうつ病や精神病がともなってくる。脳も臓器であり、栄養が必要。骨盤の開きが小さく、出産が危険となる。

つづく

 

栄養ではぐくむ伝統食 (1)
http://vimeo.com/14089342サリー・ファロン・モレル のスピーチより(パート1-1) (写真は講義に使われたものと同じではありません)

ワイズ・トラディションズ会議 2010年 UK

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